エンペラーテトラ

今回は今までと趣向を変えて、私の好きな魚を紹介します。
このエンペラーテトラは青紫の体色と、長く伸びた黄色のヒレが特徴の魅力的な小型カラシンです。

体長はオスが５㎝　メスが４㎝ほどで
ソイル・大磯などの底床を問わず色も挙がりやすく、
飼育自体に難しい点はありません。
ただ比較的低温を好む性質があるようで、
通常の熱帯魚とおなじ水温（２６度）で飼育すると短命になる傾向があるようです。


また雌雄問わず縄張りを作る習性があり、
激しくはないものの他の魚と小競り合いをすることがあります。
水槽に蓋をしておかないと飛び出し事故につながりますので、
オープンアクアリウムには向かないかもしれません。
（余談ですが、同じ水槽のアカヒレは追いかけたのに、メダカにはまったく関心を示しませんでした。どうやら相手の泳ぎ方によって敵かそうでないかを認識しているようです。）



繁殖は簡単で、他の魚種が少ない水槽でなら
特別に繁殖水槽を用意しなくても問題なく増えるはずです。
数日間にわたって水草の茂みなどで産卵し、
気がついた時には底の方で稚魚が泳ぎ回っていることが多いでしょう。
この方法でも稚魚の生存率はそれほど低くないように感じました。
親魚が稚魚を食べるということがない（観察している範囲で）のも
一因かもしれません。

（成長した稚魚たちは、環境が良かったのか現在親魚よりも色が挙がっています。
冒頭の画像も子供のものです。）



ただ、あまり増えすぎるのも困りものです。
エンペラーテトラは体高がありヒレも長いので、実際よりも大きく見えるので、数が増えると水槽が窮屈に見えてしまいます。
６０センチ水槽なら１２．３匹が
狭く見えない適当な数かと思います。
















画像奥に３匹の稚魚がいます。
去年雌雄を別々にわけたのですが、しっかり卵は生んでいたようです。
今年は合計７匹の稚魚が生まれました。


















こちらはメス。オスに比べて地味で目が緑色なのですぐに判別できます。
生まれてくる稚魚の雌雄比は１：５くらいなので、
メスの方が少ないです。


我が家では
最初、ミナミヌマエビと混泳させていたのですが、
１年ほどの間に数十匹いたエビが６匹にまで減ってしまいました。
ウィローモスを入れなかったというのもありますが、
泳いでいるエビにちょっかいを出して、飛び出させてしまう事が多いようでした。

現在はより大型のヤマトヌマエビに変えたので、飛び出しはなくなりましたが、それでも念のためにフタはしてあります。

ラムズホーンの稚貝も食べてしまうので、
現在ミナミとラムズには別水槽に移ってもらっています。




エンペラーテトラは性質・適水温などからみて、
あまり混泳向きの魚種とは言えませんが、
非常にエレガントなフォルムと色彩は、
それを補って余りあるものがあります。

ＡＤＡ風の水草レイアウトや
コミュニティタンクのワンポイントとして
とても魅力的な魚だと思います。

皆様の水槽にもぜひ迎えてみてください。





















2009/6/18追記
カラシンの仲間にはよくあることですが
エンペラーテトラも水草をかじってしまうことがあります。
以下の水草はウチの水槽で食害を受けたものです

・グロッソ
　植える端から抜かれて食べられてしまいました；；
　かなり好物のようで、別水槽で増やしたグロッソをいれると
　一匹がくわえて他の魚がそれを追いかけるのが面白くて
　たまにトリミングしたものをあげています
　
　グロッソの絨毯を泳ぐエンペラーテトラ…見たかった

・ニューパールグラス
　抜かれはしませんが、茎だけ残して葉が食べられてしまい
　情けない姿になってしまいました
　不思議なことにニューパールは食害されるのに
　パールグラスは被害を受けませんでした
　グロッソと同じく二枚対生で葉が米粒サイズのものは食欲をそそるのかもしれません。

・ヘテランテラ
　葉が柔らかい。
　これにつきます。
　入れる端からかじってしまいます。
　

食害された水草は以上ですが
別の水槽で５，６匹飼っていたメス達は
上記の水草であっても食害しませんでした。
数の問題なのか雌雄の違いによるものなのかは…ｳ~ﾝ
個体差もあるので断定はできませんが

「エンペラーテトラは水草を食害することもある」

ということは確かなようです。